東浦町議会議員 こまつばら英治の時論公論

こまつばら英治の時論公論

<< 東浦町立保育園の運営に関する民間活用(平成30年12月議会一般質問) | main | 小中学校普通教室エアコン設置補正予算 質疑 >>
総合計画の基本構想 反対討論

平成30年12月議会において、「第6次東浦町総合計画基本構想の策定及び第5次東浦町総合計画基本構想の廃止について」が議案として上程されました。

 

総合計画は、本町の施策を定める最上位の計画であります。現在、本町では2011年から2020年までの10年間に渡る第5次東浦町総合計画があります。その第5次東浦町総合計画を閉じて、新たに2019年から2038年までの20年間に渡る第6次東浦町総合計画を策定するものであります。

 

私は、この議案に反対をいたしました。その理由を反対討論として登壇して議場で述べました。

その内容は、以下のとおりです。なお、採決の結果、賛成9、反対6で可決されました。

 

 

議案第48号「第6次東浦町総合計画基本構想の策定及び第5次東浦町総合計画基本構想の廃止について」反対の立場から討論をいたします。

 

反対の理由といたしまして3点ございます。

 

1点目ですが、第6次総合計画の計画期間である20年間は、激動の20年間であるということでございます。

 

説明では、第5次総合計画2011年度から2020年度までの10年間の総合計画でありましたが、2015年の国勢調査において、本町では初めて人口が減少し、人口が増加する想定で策定した計画内容を早急に見直す必要が出てきたこと。そして、そうした人口減少への対応や社会の変化に対応するため、第5次総合計画を前倒しして策定することに加え、第6次総合計画は、少子高齢社会に対応するための計画であるとのことでした。

また、計画期間を20年間と設定したことについては、少子高齢社会の進展により人口が減少しつつも高齢者の人口のみ増え続ける期間が概ね20年間と推計されること、及び土地の区画を整え、宅地等の利用の増進を図る土地区画整理事業や幹線道路の整備には概ね10年以上の期間を要することから、計画期間を20年としたとのことであります。

さらに、AIIoTなどにより産業はもちろん、社会も大きな転換期を迎えることから、長期的な視点でまちづくりを考えていくことが求められているとのことでした。

 

まず、将来人口の推計についてでございますが、総合計画を策定するうえで、将来人口推計はまちづくりの重要な指標であります。第5次総合計画では、将来人口の推計に誤差を生じ、その誤差は許容範囲にとどまらず、軌道修正では対応できず、結果的に第5次総合計画を廃止し、新たな総合計画を策定するとの判断に至ったわけであります。第5次総合計画は10年間の計画期間でありました。今回、提案されている第6次総合計画は20年間でありますことから、第5次総合計画での誤差を超える大きな誤差が生じる可能性は高いと考えます。

また、総合計画の策定にあたって、AIIoTなどの技術発展についても言及しています。AIIoTなどの技術の進歩、情報技術の進歩とともに生まれたシェアリングの考え方の浸透、2027年開業予定のリニア中央新幹線など、今後、国内外ともにあらゆる分野で変化していくことが考えられること。その変化に対応し、チャンスとしてまちづくりに活かしていく必要があるとしています。

 

ちなみに、パソコンの世帯における普及率は、1998年では25.2%であったものが、2018年では78.4%となっており、20年間で50%以上も増加しています。インターネットの世帯利用率は、1997年は6.4%であったものが、2017年では83.9%となっており、20年間で75%以上も増加しています。さらに、個人のスマートフォンの保有率の推移では、2011年に14.6%であったものが、2016年には56.8%と5年間で4倍に上昇しています。

アメリカにおける新技術の普及スピードの調査では、新製品を人口の50%以上が使用することになるまでの年数は、自動車は80年以上かかりましたが、パソコンは30年未満、インターネットは20年を切り、携帯電話に至っては10年ほどとなっています。

 

今回の計画期間であ20年間において、社会経済環境が変化するスピードや度合いが一層激化することが考えられ、想定外の課題が生じる可能性があるなかにおいて、基本構想策定時に想定していなかった新たな行政課題に基本計画が対応する必要性が高まり、基本構想とは異なる施策を策定してしまう恐れがあることや、課題分析、成果検証、目標達成状況、進捗管理などの指標が曖昧で不十分である総合計画では、実効性の確保が困難であると判断せざるを得ません。

 

今後20年間の日本は、政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化に対処する必要があります。

生産年齢人口の減少により、外国人労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要に迫られることも考えられます。また、高齢者が増えることにより、医療業界と住宅業界は成長する可能性も高いかもしれません。さらに、日本の輸出産業は構造改革が続き、ハイテク製品、高付加価値製品、情報技術に重点が置かれるようになる可能性は高いことが想定されます。

要するに、今後の日本の20年間、本町の20年間は、激動の20年間になる可能性が高いということであります。

 

激動の変化に対応するためには、20年間という計画期間はあまりにも長く、第5次総合計画と同じ10年間、あるいは8年間が適当であると考えることから、第6次東浦町総合計画基本構想の策定には反対であります。

 

 

 次に、2点目ですが、基本構想と自治基本条例との関係性についてでございます。

 

総合計画は、本町の施策を定める最上位の計画であります。第5次総合計画の基本構想の内容は、基本理念、将来の都市像、施策大綱で構成されていましたが、第6次総合計画の基本構想では、施策大綱がありません。施策大綱は、分野別の将来の方向性が明文化されたものでありますが、東浦町の将来のまちづくりの分野別の方向性が示されていないのであります。

 そのため、基本構想は抽象的な表現に留まっており、この基本構想は形だけのものになってしまっています。言い換えれば、将来、この基本構想は形骸化することが容易に予想されることを懸念いたします。

 

 また、今回上程されている基本構想は、精神論や基本理念が多く謳われているといった印象があります。本来、基本構想は総合計画のまちづくりの基本目標を明文化するものでありますが、他自治体の自治基本条例と、本町の総合計画の基本構想とを比較すると、重なる部分が多くあるように感じます。

 

具体的に申し上げますと、基本構想の中にある「将来の東浦町の姿」に掲載されている部分であります。

将来の東浦町というまちを、ともに「つくる」意識を持つこと、多くの人が活躍の場や機会を「つくる」ことで、東浦町にある資源が「つながり」新しい活力を生み、また、困った人へ手を差し伸べる「ささえあう」関係をつくり、「幸せ」と「絆」を実感できるまちを目指します。

将来像の中の「幸せと絆を実感できるまち」とは、多様な生き方・価値観を持つ人々の目指すところを、それぞれの「幸せ」に集約し、東浦町のまちづくりの象徴を「絆」としました。

まちに住む人、まちで活動する人、行政のそれぞれがともにつくり、つながり、ささえあい、まち全体の課題を「自分事」として、住民一人ひとりの課題も「みんな事」と考え行動し、安心して暮らせる環境を整え、「幸せ」と「絆」を実感できるまちを目指します。

 

また、「つくるまちへ」として、まちの住む人、まちで活動する人、行政それぞれがまちの構成員であり、みんなで話し合い、ともに考え、ともに将来の東浦町をつくる意識を共有し、また、若者や高齢者など、あらゆる方の活躍の場や機会づくりから、新たな挑戦ができるまちをつくりますとあります。

次に、「つながるまちへ」として、最も身近な家族、近隣の人といった個人のつながりを大きくした地域のつながり、地域と行政、地域と事業者などといった人と人のつながりに加え、東浦町にある様々な資源や行政区域を越えた東浦町と近隣市町のつながりから、東浦町の新たな魅力や新しい活力が生まれるまちをつくりますとあります。

さらに、「ささえあうまちへ」として、個人が個人をささえる、個人を地域がささえる、個人を行政がささえる、地域を行政がささえるなどといった、東浦町での日々の暮らしや教育、子育てなどのささえあいから、まちの全体でささえあい安心して住み続けられるまちをつくりますとあります。

これらは、自治基本条例の中で条文として策定しても、違和感がないものであり、総合計画の基本構想に明文化し、住民、事業者の役割、義務を明記することは適当ではなく、むしろ自治基本条例において明文化し策定した方が適当であると考えることから、第6次東浦町総合計画基本構想の策定には反対であります。

 

 

 次に、3点目ですが、まちづくりの将来像が共有できていないことでございます。

 

総合計画の基本構想は、将来のまちの姿を描きながら、「どんなまちづくりをすすめていくのか」を示した、いわば「まちづくりの理念」と言えます。さらに、町の福祉や教育、環境といったすべての計画の基本となるもので、いわば東浦町の「まちづくりを進めていくための道しるべ」とも言えます。

そして、基本計画はこの基本構想に示された理念を実現するために、基本的な施策として「どんなことをしていくのか」ということを総合的・体系的にまとめ、目標を明らかにしたものであります。

 

 今後、策定される施策は、この基本構想の趣旨に沿ったものでなければなりません。まちづくりの理念、根幹となるものであることから、誰が読んでも、同じように理解する必要があります。住民、事業者、行政、議会、それぞれが基本構想の基本理念や将来都市像の解釈に相違があってはなりません。解釈に相違があるようならば、施策の根幹にはなり得ないと考えます。

 

今後、ある案件に対する対処方法として、2つの施策が生じた場合、どちらの施策を選択するかは、まず、基本構想の基本理念にどちらが合致しているかを検討するべきであろうと思います。しかし、そのときに住民、事業者、行政、議会が基本構想の解釈に相違があった場合、施策を策定するにあたり混乱が生じることは明らかであります。

今回上程されている基本構想は、まちづくりの将来像が抽象的な表現であるが故に、住民、事業者、行政、議会が基本理念や将来都市像を共有できているとは言えず、将来混乱を生じる可能性が高いことから、第6次東浦町総合計画基本構想の策定には反対であります。

 

 

 最後に申し上げさせていただきます。

 人口減少、少子高齢社会は、現在各自治体が抱えている共通の課題であり、本町独自の課題ではありません。その中において、本町は20年間の総合計画を策定しようとしています。計画が長期に渡ることは、当然に中身が抽象的なものになってしまいます。本町独自のまちづくりの基本目標が、描きにくくなることは当然であります。

 基本構想は、あくまでも本町のまちづくりの将来像や基本目標を明文化するものであると考えています。しかし、そのような内容になっていない基本構想であることから、策定には反対であります。

 

 

以上、反対の理由を申し上げまして、「第6次東浦町総合計画基本構想の策定及び第5次東浦町総合計画基本構想の廃止について」、私の反対討論といたします。

 

JUGEMテーマ:地方議会

 

 

| 議会 | 12:18 | comments(0) | - |









こまつばら英治
こまつばら英治 プロフィールはこちら
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< January 2019 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ にほんブログ村
+ にほんブログ村ランキング
PVアクセスランキング にほんブログ村
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE
+ OTHERS
このページの先頭へ